住まいの本当の話|家の湿度は何%が快適?高すぎても低すぎても困る理由
2026年9月30日(水)
「家の湿度って、何%くらいがいいんだろう?」
湿度計を見ると50%。
なんとなくちょうど良さそうですが、本当に快適な状態なのでしょうか。
一般的に、室内の湿度は40~60%程度がひとつの目安とされています。
湿度が高すぎればジメジメと感じやすくなり、カビや結露も気になります。反対に低すぎれば、空気の乾燥が気になるようになります。
では、湿度計が50%を示していれば安心なのか。
実は、ここでひとつ考えてほしいことがあります。
リビングの湿度計が50%でも、家中が50%とは限りません。
家の中には、いくつもの「小さな環境」があります
例えば、家族が過ごしているリビングでは人が出入りし、エアコンや換気設備も使われています。
一方で、クローゼットの奥はどうでしょう?
家具の裏側は?
北側の部屋や、普段あまり開けない収納は?
同じ家の中でも、日の当たり方や温度、空気の動き方は場所によって違います。
リビングでは快適に感じていても、空気が動きにくい場所では湿気が留まっていることがあります。
前回のコラムでも、クローゼットや家具の裏などにカビが出る話をしました。
「なぜか、いつも同じ場所にカビが出る」
その理由を考えるときにも、家全体の湿度だけではなく、その場所がどんな環境になっているのかを見ることが大切です。
湿度は高ければ高いほど困る?
湿度が高い状態が続くと、「少しベタベタする」「洗濯物が乾きにくい」といった不快感につながることがあります。
そして気になるのが、カビや結露です。
だからといって、「湿度は低ければ低いほどいい」というわけでもありません。
秋が深まり、暖房を使う季節になると、今度は室内の乾燥が気になってきます。
そこで加湿器を使うご家庭も多いでしょう。
ただ、ここでも湿度計の数字だけを追いかけるのではなく、窓に結露が出ていないか、部屋によって空気の感じ方が違わないかなど、家全体を見てみることが大切です。
湿度は、高すぎても低すぎても困るもの。
大切なのは、季節に合わせて上手に付き合うことです。
自然素材なら、湿度を気にしなくていい?
千寿堂では、漆喰や無垢材などの自然素材を使った家づくりをしています。
こうした素材には、湿気との付き合いを考えるうえで魅力的な特徴があります。
ただし、「自然素材を使えば、家の湿度はいつでも快適になる」というほど単純な話ではありません。
どんな素材を使うか。
どこに窓をつくるか。
空気をどう動かすか。
どんな間取りにするか。
そして、そこで家族がどんな暮らしをするのか。
素材だけに頼るのではなく、それらを一緒に考えることで、湿気と無理なく付き合える住まいに近づいていきます。
湿度計の数字だけでなく、家を見てみる
湿度計は、家の状態を知るための便利な道具です。
50%なら50%。
数字ではっきり表示されるので、とても分かりやすい。
でも、その数字が示しているのは、湿度計を置いている場所の状態です。
家の中には、家族が集まる場所もあれば、ほとんど人が入らない場所もあります。
暖かい場所もあれば、少しひんやりする場所もあります。
だから、ときどき家の中を歩きながら、
「ここは少し空気がこもっているな」
「この収納、なんとなく湿っぽいな」
そんな感覚にも目を向けてみてください。
これから家を建てる方なら、今住んでいる家で感じていることも、大切な家づくりのヒントになります。
快適な家とは、湿度計をずっと50%に保つ家ではありません。
季節によって変わる温度や湿気と、上手に付き合える家。
千寿堂では、自然素材だけでなく、光や風、間取り、空気の流れまで考えながら、そんな住まいをつくっていきたいと考えています。





